ディープインサイト、ルネサスと組み込みディープラーニングで連携

2017.4.11
プレスリリース

国産初のエンベデッドディープラーニングフレームワーク「KAIBER(カイバー)」を販売開始

ディープインサイト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:久保田良則、https://www.deepinsight.co.jp以下、ディープインサイト)は、ルネサスエレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼CEO:呉文精、以下ルネサス)とディープラーニングの組み込み業界向けソリューションを推進する事を発表いたします。

第一弾として、ルネサスから本日発表された「e-AI(イーエーアイ、embedded-Artificial Intelligence)ソリューション」のコンセプトに対応したルネサス製統合開発環境「e2 studio」とディープインサイトのエンベデッドディープラーニングフレームワーク「KAIBER(カイバー)」の連携を強化した新機能(e2 studioプラグインソリューション)が提供される予定です。

(詳細はルネサスの4月11日付プレスリリース参照)

ルネサスとの連携については、本年4月11日(火)開催のルネサスのプライベート総合展「Renesas DevCon Japan 2017」で、基調講演・セミナー・ワークショップ・デモ展示内でも発表致しました。

これに合わせディープインサイトは、「KAIBER」を本日より正式に販売開始致します。

(出荷開始は5月22日予定)

ディープインサイトは、既にグローバル市場で広く利用されているルネサス製統合開発環境「e2 studio」との連携を強化する事により、組み込みディープラーニング分野で「KAIBER」の主要開発環境としての地位を確立していく計画です。

現在、爆発的な成長が見込まれているディープラーニングを応用したビジネスは、いくつかの課題も指摘されています。それはIoTデバイスなど組込み分野へのディープラーニング技術の導入環境が未整備であることです。ディープラーニング技術をIoTデバイスに組み込んでリアルタイム性が要求される商用サービスを展開したい場合、今主流のオープンソースのディープラーニングフレームワークでは実現が困難です。小型デバイスへの組込みを考慮していないアーキテクチャで、商用サポートも殆ど提供されていません。

今後、販売展開されるエンベデッドディープラーニングフレームワーク「KAIBER」は、EdgeComputingと呼ばれるリアルタイム性の高いIoTシステムを実現できる組み込み分野に特化した国産初の製品です。ディープインサイトは、世界的半導体ベンダーであるルネサスとの連携をもとに開発・販売・コンサルティングサービスを中心とした商用サポート体制を構築し、IoTを含む組み込み分野へのディープラーニング技術の普及に貢献していきます。

「KAIBERの用途」

「KAIBER」はDNN(Deep Neural Network)の学習・開発環境として機能し、また作成した推論実行モジュールは多様な小型デバイスやエッジサーバー、そしてスマートフォンなどの端末アプリケーションに簡単に組み込むことが可能で、IoTシステムへのディープラーニングの導入を劇的に促進するエンベデッドディープラーニングフレームワークとして利用できます。ディープラーニングフレームワーク自体の開発には高度な技術力が必要であり、世界的にも限られた種類しか存在しません。しかも、「KAIBER」のように組込み分野に特化した汎用フレームワークは皆無です。

「KAIBERの特徴」

小さなモジュールを組込むだけ。
学習サーバー機能と完全分離された推論実行モジュールを、多様なデバイス・アプリに簡単に組込み可能。業界最小クラス(20KB~)のフットプリントを実現。

純国産のディープラーニングフレームワーク。
すべてのコードをゼロから開発。完全自社開発の為、プロジェクトに合わせた柔軟な商用サポートも提供可能。先進のGUIを搭載し、効率よく作業を行えるので開発・検証も容易。

多様なアーキテクチャに迅速対応。
フレームワーク全体をJavaで開発し、推論実行モジュールはC言語版も用意。新しいデバイスやプラットフォームに即座に対応。

柔軟な課金モデル
標準版(iOS/Android)の推論実行モジュールは無償配布可能。少量のテスト販売から量産品への組込みまで、リスクを抑えながら幅広いビジネスに挑戦できます。多様な独自デバイス(CPU/GPU/FPGA/DSP等)への最適化にも対応するロイヤリティ方式も準備。

*「エッジコンピューティングとは」中央のサーバーに対し、ネットワークのエッジ(末端)のユーザーに近いところで分散処理させ、クラウドやネットワークのコストを抑え、レスポンスのリアルタイム性を高められる技術です。IoTシステムにおいては、デバイスと、そこから遠く離れたクラウドコンピューティングだけでは不十分で、IoTデバイスの近くでコンピューティング処理を行うエッジコンピューティングが必要であるということが広く認識されつつあります。