ディープインサイト、国産初のIoTとEdge Computing向けエンベデッドディープラーニングフレームワーク「KAIBER(カイバー)」を発表!

2016.10.3
プレスリリース

ディープインサイト株式会社は、IoTデバイスなどへの組み込みに特化した国産初のエンベデッドディープラーニングフレームワーク「KAIBER(カイバー)」を発表いたします。

「KAIBER」は、急成長するIoT分野で重要なトレンドになりつつあるディープラーニングとエッジコンピューティング*の融合を促進し、多様な産業分野に「人口知能の進化」をもたらすプラットフォームになる目標を掲げております。

「KAIBER開発の背景」

将来、数百億個とも推測され、爆発的に広がるIoTデバイス。すべてのIoTデバイスのデータをクラウドに蓄積・処理していては実現困難な、リアルタイム性の高いシステムが望まれています。そのためのキーテクノロジーが、ディープラーニングとエッジコンピューティングです。自動運転や産業用ロボット以外にも、医療デバイスからスマート家電やウエアラブルデバイスまで、適用領域は急速に拡大しています。

ディープラーニングは、膨大なデータを分析・理解する事に絶大な能力を発揮し、エッジコンピューティングは、IoTシステムのリアルタイム性を高めます。そして、この2つのテクノロジーの融合には、もっと使い易く、もっと柔軟なエンベデッドディープラーニングフレームワークが必要とされています。

現在、ほとんどの汎用ディープラーニングフレームワークは、小型デバイス等への組み込み用途を考慮しておらず、エッジコンピューティングへの適用には大きな障害があります。また、オープンソースが主流であり、研究・試作検証等には気軽に使用できますが、商用サポートが極めて未整備です。

今後生まれる多様なIoTデバイスに、ディープラーニングを簡単に組み込める使い易さと、商用ビジネスの展開を支援できるサポート体制を実現する為に「KAIBER」を開発いたしました。

「KAIBERの用途」

「KAIBER」はDNN(Deep Neural Network)の学習・開発環境として機能し、また作成した推論実行モジュールは多様な小型デバイスやエッジサーバー、そしてスマートフォンなどの端末アプリケーションに簡単に組み込むことが可能で、IoTシステムへのディープラーニングの導入を劇的に促進するエンベデッドディープラーニングフレームワークとして利用できます。

ディープラーニングフレームワーク自体の開発には高度な技術力が必要であり、世界的にも限られた種類しか存在しません。しかも、「KAIBER」のように組み込み分野に特化した汎用フレームワークは皆無です。

「KAIBERの特徴」

小さなモジュールを組込むだけ。学習サーバー機能と完全分離された推論実行モジュールを、多様なデバイス・アプリに簡単に組込み可能。業界最小クラス(20K~)のフットプリントを実現。

純国産のディープラーニングフレームワーク。すべてのコードをゼロから開発。完全自社開発の為、プロジェクトに合わせた柔軟な商用サポートも提供可能。先進のGUIを搭載し、効率よく作業を行えるので開発・検証も容易。

多様なアーキテクチャに迅速対応。フレームワーク全体をJavaで開発し、推論実行モジュールはC言語版も用意。新しいデバイスやプラットフォームに即座に対応。

柔軟な課金モデル
標準版(iOS/Android)の推論実行モジュールは無償配布可能。少量のテスト販売から量産品への組込みまで、リスクを抑えながら幅広いビジネスに挑戦できます。多様な独自デバイス(CPU/GPU/FPGA/DSP等)への最適化にも対応するロイヤリティ方式も準備。

「KAIBERの今後の展開」

「KAIBER」は現在、クローズドβテストを実施しており、2016年12月を目標に、今後募集する提携企業への提供を開始致します。また、来年春までには有償での商用ライセンスの提供を開始する予定です。

*「エッジコンピューティングとは」中央のサーバーに対し、ネットワークのエッジ(末端)のユーザーに近いところで分散処理させ、クラウドやネットワークのコストを抑え、レスポンスのリアルタイム性を高められる技術です。IoTシステムにおいては、デバイスと、そこから遠く離れたクラウドコンピューティングだけでは不十分で、IoTデバイスの近くでコンピューティング処理を行うエッジコンピューティングが必要であるということが広く認識されつつあります。